掛軸のスタイルについて
書や水墨画、命名軸、家系軸など、いざ掛軸を作ってほしいと思っても、知識がないが故に不安に思う事はたくさんあると思います。掛軸に格式はあるのか、水墨画や墨跡、書などはどんな掛軸のスタイルが好ましいのか、おかしくないか、掛軸にもっとカジュアルなスタイルはないのか。そんな悩みにお答えし、簡単に簡潔に、分かりやすくお話します。
基本的な掛軸のスタイルは3つ!
掛け軸のスタイルは、展示の目的、場所、時期などに応じて多様です。基本形は『丸表具』『三段表具』『仏表具』の3種類です。その他のスタイルは、これらの基本形を変化させたり、オプションを追加したものです。
丸表具
丸表具は、最も一般的で広く使われている掛け軸のスタイルです。中国から伝来した「文人表具」を起源とし、日本では主に南画や漢文の作品に用いられています。
三段表具
三段表具は日本で独自に発展した「大和表具」であり、見た目に豪華な雰囲気を醸し出します。書道作品をはじめ、水墨画や花鳥画によく用いられています。
仏表具
仏画や集印軸、墨蹟(ぼくせき)など、宗教的な絵画や書に使用されています。金襴緞子などの高級な織物を用いているため、荘厳な印象を与えます。
いかがでしょうか。基本の形3つを抑えておけば割と簡単にスタイルは決まるかもしれませんね。また、使いたい裂地が何種類あるか、差し色を入れた方が作品にメリハリがつくのではないか、そのように色から入るのも良いかもしれませんね。仏とその他で分けるのも良いでしょう。