並緞子

並緞子(なみどんす) は、掛け軸によく用いられる代表的な裂地です。控えめな光沢と落ち着いた文様が特徴で、作品を引き立てながら自然に調和します。書や水墨画など幅広い作品に合い、最も親しまれている緞子です。
普緞子

普緞子(ふどんす) は、掛け軸に用いられる緞子の中でもよく使用される裂地です。控えめな光沢と落ち着いた文様、上質な風合いを持ち、書や水墨画を一層品よく引き立てます。華美ではないものの、格式を感じさせるため、日常から正式な場まで幅広く用いられます。
中緞子

中緞子(ちゅうどんす) は、普緞子よりも格の高い裂地で、文様や色合いにやや華やかさを備えています。落ち着きと品格を兼ね備えており、墨跡や仏画など、重みのある作品をより一層引き立てる役割を果たします。
上緞子

上緞子(じょうどんす) は、繊細で緻密な文様と深みのある色合いが特徴です。重厚感と格調を備えており、重要な作品や正式な場面に掛ける掛け軸にふさわしい裂地とされています。特に仏画や墨跡の大作など、品位と厳粛さを求められる作品に用いられ、その存在感によって作品を一層引き立てます。
特上緞子

特上緞子(とくじょうどんす) は、緞子裂地の中でも最も高位に位置づけられる格式ある裂地です。織りの細やかさ、文様の精緻さ、そして深みのある色調はいずれも上質で、気品と重厚さを兼ね備えています。大切な名品や特別な作品を仕立てる際に用いられ、掛け軸全体に格調高い趣を添えます。
無地

無地緞子(むじどんす) は、文様を織り込まないシンプルな緞子で、作品の雰囲気を邪魔せずに引き立てられるのが大きな利点です。余計な装飾がないため、本紙の内容や墨色をより際立たせ、落ち着いた上品さを演出します。また、どのような題材の作品にも合わせやすく、幅広い用途に対応できる点も魅力です。
標準紙

紙表装(かみひょうそう) は、裂地の代わりに紙を用いて仕立てる方法で、比較的安価にご利用いただけます。展示会用や短期間の鑑賞に適しており、気軽に作品を掛けて楽しむことができます。ただし、布地を使った表装に比べると耐久性に劣るため、長期保存や繰り返しの使用にはあまり向きません。
高級紙

紙表装(かみひょうそう) は、裂地の代わりに紙を用いて仕立てる方法で、比較的安価にご利用いただけます。展示会用や短期間の鑑賞に適しており、気軽に作品を掛けて楽しむことができます。ただし、布地を使った表装に比べると耐久性に劣るため、長期保存や繰り返しの使用にはあまり向きません。
一文字 軸先 筋廻し
一文字(いちもんじ)
本紙の上下に配される細い裂地部分を「一文字」と呼びます。金襴や緞子など、格調の高い布を用いることが多く、作品を引き立てる最も装飾的な部分です。一文字の有無や種類によって掛け軸の格式が大きく変わります。
筋廻し(すじまわし)
裂地の境目に細い筋を通す装飾技法を「筋廻し」といいます。金や色糸で織られた細い帯状の布を用い、掛け軸全体の印象を引き締める役割を果たします。基本仕様には含まれず、オプションとして追加されることが多い装飾です。
軸先(じくさき)
掛け軸の両端につけられる部分を「軸先」といいます。掛け軸を巻いたり掛けたりする際に持つ部分であり、素材にはプラスチック・木・陶器・象牙風のものなど様々な種類があります。裂地の格や掛け軸の用途に応じて選ばれ、作品全体の雰囲気を整える重要な要素です。